





 「インテックさんって、技術力が売りなんですよね?」
「インテックさんって、技術力が売りなんですよね?」
 「そうですよ!うちはお客様のご希望を実現するのが仕事ですから!」
「そうですよ!うちはお客様のご希望を実現するのが仕事ですから!」
 「では、海の生き物も作れます?」
「では、海の生き物も作れます?」
 「えっ…?」
「えっ…?」
 「来週うちの子供の誕生日なのですが、
「来週うちの子供の誕生日なのですが、
        メタリックのイカがほしいって言ってまして…。」
 「メタリック!?イカ…ですか?」
「メタリック!?イカ…ですか?」
 「そうなんですよ!海の生き物が好きな子なんですが、特にイカが好きで。
「そうなんですよ!海の生き物が好きな子なんですが、特にイカが好きで。
        インテックさんで作ってもらえないでしょうか。」
 「そうですねぇ。」
「そうですねぇ。」
 「市販品も探したんですが、メタリックのイカってなかなかないんですよ」
「市販品も探したんですが、メタリックのイカってなかなかないんですよ」
 「でしょうね…今回は特別にやってみましょう!」
「でしょうね…今回は特別にやってみましょう!」
 「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」


 「依頼人から、メタリックのイカ作ってって言われたんだけど作れる?」
「依頼人から、メタリックのイカ作ってって言われたんだけど作れる?」
 「メタリック!?イカ!?」
「メタリック!?イカ!?」
 「そうなんだよ、依頼人のお子さんがイカが好きなんだって。
「そうなんだよ、依頼人のお子さんがイカが好きなんだって。
        さらにメタリックも好きなんだって。それで作ってほしいって頼まれちゃってさ」
 「はぁ…」
「はぁ…」
 「俺的にこだわりは、足の細さ!こんな感じなんだけど…」
「俺的にこだわりは、足の細さ!こんな感じなんだけど…」
 「あぁ、コレくらいなら簡単ですよ!さっそくやってみましょうか?」
「あぁ、コレくらいなら簡単ですよ!さっそくやってみましょうか?」
 「ありがとう!じゃあ、さっそくお願い!」
「ありがとう!じゃあ、さっそくお願い!」

 「できましたよ!こんな感じでどうですか?極限まで足の細さにこだわってみました!
「できましたよ!こんな感じでどうですか?極限まで足の細さにこだわってみました!
        あと、どうせなので、他の生き物まで作ってみました」
 「お、いいねぇ。他の生き物まで作ってくれたのか。やるなぁ!」
「お、いいねぇ。他の生き物まで作ってくれたのか。やるなぁ!」
 「イカだけでは、寂しいかなと思いまして」
「イカだけでは、寂しいかなと思いまして」
 「さすがだね。イカだけにイカす!笑」
「さすがだね。イカだけにイカす!笑」
 「・・・」
「・・・」
 「まぁ、いいとして。じゃあ、次は加工だな。ありがとう!」
「まぁ、いいとして。じゃあ、次は加工だな。ありがとう!」


 「これ、カットできる?」
「これ、カットできる?」
 「何ですか?これ。」
「何ですか?これ。」
 「イカだよ。依頼人に頼まれちゃってさ。設計までしてもらったんだ。
「イカだよ。依頼人に頼まれちゃってさ。設計までしてもらったんだ。
        それで、これをカットしてほしいんだけど。」
 「そういうことなら、任せてください!」
「そういうことなら、任せてください!」

 「できましたよ、どうですか?」
「できましたよ、どうですか?」
 「いいねぇ!そうそう、この足の細さが今回重要なんだよ。さすがだよ。」
「いいねぇ!そうそう、この足の細さが今回重要なんだよ。さすがだよ。」
 「ありがとうございます!依頼人もお子さんも、喜んでくれるといいですね」
「ありがとうございます!依頼人もお子さんも、喜んでくれるといいですね」
 「そうだな。ありがとう!」
「そうだな。ありがとう!」

 「メタリックのイカ、できましたよ!
「メタリックのイカ、できましたよ!
        うちの設計の計らいで、他の生き物も作成しちゃいました。」
 「おぉ~!さすがインテックさんですね!メタリック感出てます!
「おぉ~!さすがインテックさんですね!メタリック感出てます!
        希望通りです!うちの子もきっと喜びます。」

 「大変伝えづらいのですが…せっかく作ってもらったメタリックのイカ、
「大変伝えづらいのですが…せっかく作ってもらったメタリックのイカ、
        うちの子が汚してしまいまして…」
 「えぇ!?」
「えぇ!?」
 「気に入っていつも遊んでいたんですよ。そうしたら…」
「気に入っていつも遊んでいたんですよ。そうしたら…」
 「これは、派手にやっちゃいましたね。」
「これは、派手にやっちゃいましたね。」
 「えぇ。
「えぇ。
        それで今度は、このイカをキレイにしてほしいのです。」
 「キレイに、といいますと?」
「キレイに、といいますと?」
 「インテックさんの技術で、あのメタリック感を甦らせてほしいのです!
「インテックさんの技術で、あのメタリック感を甦らせてほしいのです!
        イカ洗浄機を作ってもらえませんか?」
 「イカ洗浄機ですか。
「イカ洗浄機ですか。
        イカを洗うなんてダシが出そうですね(笑)」
 「・・・(また変なこと言ってるよこの人)」
「・・・(また変なこと言ってるよこの人)」
 「洗浄機、もちろん作れますよ!任せてください!」
「洗浄機、もちろん作れますよ!任せてください!」
 「ありがとうございます!ぜひよろしくお願いします!!」
「ありがとうございます!ぜひよろしくお願いします!!」


 「今度はイカをキレイにするための、洗浄機を作ってほしいんだ!
「今度はイカをキレイにするための、洗浄機を作ってほしいんだ!
        この前の構造を活かして、こういった感じはどうだろうか?」
 「あ、それいいですね。そのセンで考えてみますか!」
「あ、それいいですね。そのセンで考えてみますか!」

 「さぁ、次は組立だ。よろしく頼むよ!」
「さぁ、次は組立だ。よろしく頼むよ!」
 「任せてください。特別な洗浄機、仕上げてみせますよ!」
「任せてください。特別な洗浄機、仕上げてみせますよ!」
 「ここを、今より微妙に狭くした方がイカが安定するんじゃないかな、
「ここを、今より微妙に狭くした方がイカが安定するんじゃないかな、
        見直しできます?」
 「そうですね、このあたりをもう少し調整した方がよさそうですね。
「そうですね、このあたりをもう少し調整した方がよさそうですね。
        すぐに図面の見直ししてみます!」

 「このパーツなんですが、少し仕様が変わったので再度加工してもらえますか?」
「このパーツなんですが、少し仕様が変わったので再度加工してもらえますか?」
 「そうなんですね、分かりました!さっそく取り掛かります!」
「そうなんですね、分かりました!さっそく取り掛かります!」
 「次は電気回路の取り付けですね。加藤さん、ここからお願いします!」
「次は電気回路の取り付けですね。加藤さん、ここからお願いします!」
 「よし、任せとけ!」
「よし、任せとけ!」

 「イカ洗浄機、できましたよ!どうですか?」
「イカ洗浄機、できましたよ!どうですか?」
 「お、いいじゃないか!この動きも、さすがスムーズに作ってある!
「お、いいじゃないか!この動きも、さすがスムーズに作ってある!
        じゃあ、さっそく依頼人に連絡をとってみるか。」

 「イカ洗浄機できましたよ!」
「イカ洗浄機できましたよ!」
 「えっ?!もうできたんですか?」
「えっ?!もうできたんですか?」
 「もちろんです!社内の協力もあり、最短納期で完成させました!
「もちろんです!社内の協力もあり、最短納期で完成させました!
        ぜひ、汚れたイカをもってきてもらいたいのですが。」
 「もちろんです!すぐお伺いします!!」
「もちろんです!すぐお伺いします!!」

 「これがイカ洗浄機ですか。すごい、こんな立派なものを作ってくれるなんて…
「これがイカ洗浄機ですか。すごい、こんな立派なものを作ってくれるなんて…
        感動です!」
 「では、さっそくそのイカを洗浄してみましょう。
「では、さっそくそのイカを洗浄してみましょう。
        ここにイカを置くと、あとは自動で洗浄されてここから出てくる仕組みです。」
 「なるほど…!」
「なるほど…!」
 「では、動かしてみて!」
「では、動かしてみて!」
 「おぉぉ!すごい!!」
「おぉぉ!すごい!!」
 「あんなに汚れていたイカの輝きが戻っていますね!
「あんなに汚れていたイカの輝きが戻っていますね!
        ピカピカです!メタリックです!!」
 「喜んでいただけて光栄です!これでイカが汚れても、いつでも洗浄できますよ!
「喜んでいただけて光栄です!これでイカが汚れても、いつでも洗浄できますよ!
        お子さんにも喜んでもらえそうですね。」
 「本当にありがとうございました!子どもも喜ぶと思います!!
「本当にありがとうございました!子どもも喜ぶと思います!!
        やっぱりインテックさんに相談してよかったです。」
 「しかも、こんなに短期間でここまでしてくれるなんて。」
「しかも、こんなに短期間でここまでしてくれるなんて。」
 「依頼人のためですよ!もちろん、どんなお客様でも
「依頼人のためですよ!もちろん、どんなお客様でも
        うちは全力で対応させていただきます。」
そうして意気揚々と依頼人は帰っていった。
      キラキラ輝くメタリックのイカを手に。
      (このストーリーはフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係ありません。)